本日(3月2日)、行われた本会議で共産党区議団を代表して「議案第9号「東京都板橋区職員定数条例の一部を改正する条例」に反対する立場から討論を行いました。
討論前文は以下のとおりです。

本議案は、現行の職員定数3,628人を3,572人へと、56人削減するものです。
その理由は、「行政需要の変化に対応し、最少の経費で最大の効果を売るため、最小限の配置で事務事業の目的を達成するため」としています。
しかし、区は、すでに第一次経営刷新計画で440人、第二次刷新計画では、No.1プランと合わせて397人を削減し、それ以前の行革で減らした区職員と合わせて2,024人もの職員を削減してきました。そして、経営革新計画の3年間で140人削減するとしてきたもとでの定数削減です。
今、区民の生活はより一層厳しくなっています。今年度の区民税が約10億円の減収となる状況は、区民一人一人の所得の低下によるものです。その区民の生活に寄り添い、生活を改善し、納税ができるだけの生活再建をすすめることこそが求められています。本来なら、区民の切実な要求に応えるために適切に対応した仕事の内容と量が求められるのであって、そのために必要な人員数が配置されなければなりません。
第一に、「官から民」を強固にすすめた姿勢を改めるべきです。
今回、定数削減で最も大きなものは、子どもたちにかかわる分野です。
子ども家庭部では、学童クラブの委託、さいわい保育園の民営化、保育園給食調理業務と用務の委託、さらに、保育園を土曜日に開所するための正規保育士16人を再任用に置き換えて合計42人の削減です。また、教育の分野では、学校調理業務と用務の委託化で合計22人の削減です。
保育園の民営化、学童クラブの委託では、突然すべての職員が入れ替わる事で子どもたちや保護者に大きな不安を与え、保育園、学校での給食調理と用務の委託では、偽装請負の観点から委託業者と防災訓練すら一緒に行えないなどの問題が発生しています。
何より、低賃金雇用となっていることで、職員が短期間でやめていく事態を招いていることは問題です。働き続けられない労働環境は、結果、健全な保育や教育の環境を保障できず、そのツケは子どもたちと区民が負わされるのです。
男女平等推進センターでは、退職不補充と合わせて、相談窓口が委託されます。しかも、委託するにあたって行う競争入札では、資格の有無を条件にしてしまえば業者の数が狭まるとして資格要件もなくして行われます。非正規労働者の女性の割合が53.8%に昇るもとで、人権を守るための公の事業である男女平等推進センターの役割は、むしろ強化するべきです。区民の人権を守る入口である相談業務の委託化を安易に行うべきではありません。
また、災害時の業務継続について指定管理業者の半数が、区が期待した対応は難しいと応えています。目先のコスト削減にとらわれ、公務労働を次から次へと民間へ開放してきたことが、災害時に区民の安全を守り、業務を継続するだけの力さえ区が喪失していることの責任は重大です。
第2に、強化すべき環境行政と産業政策に対して、区の責任を果たしていないことです。
エコポリスセンターへの指定管理者制度導入によって16人の削減ですが、原発事故発生後、区民の環境に関する意識は今まで以上に高まっているときに、「啓発から実践期」としながら、その仕事は指定管理業者まかせにならざるをえません。これでは、区が環境行政をさらに発展させ、時代と区民の要請に応えることはできません。
中小企業振興公社の公益法人化にともなって、産業活性化推進室を廃止し13人の減です。中小零細企業が、経済の悪化でますます力を落としているときに、それを支援する主要な仕事はほとんど公益法人に移管されるのです。しかし、区内の中小業者の深刻な実態を把握し、必要な支援を行うために、区が積極的な役割を果たすべきであって、その立場が明確ではありません。
第3にセーフティネットの体制強化です。
生活保護世帯の急増に対応するため、3か所の福祉事務所で16人の増員が図られましたが、福祉事務所の現場では、生活の立て直し・自立に向けた多面的な支援が求められています。区は、ケースワーカー1人当たり87世帯で福祉事務所の定数換算を行っています。今年度は、年度当初、ケースワーカー1人当たりの担当世帯は、86.1世帯だったのが、この2月末には92.7世帯へと引き上がっています。これでは、自立支援など到底できません。
雇用情勢や経済状況の低迷が続く中、生活保護受給者の増加は、今後も十分想定されます。年度いっぱい適切な仕事を行うためには、年度末の増加を想定して、定数換算を行うべきです。
各地で、「餓死」で命を落とす深刻な事態が起きています。格差と貧困の進むスピードは見えないところで急激に進んでいることの象徴です。区民の困難となっている生活水準の事態を認識し、住民の命を守り、基本的人権を保障する行政本来の役割を果たすための原点に立ちかえり、区民生活を支えるための職員数の配置を行うことを求めて、私の討論を終わります。