木の大量伐採に住民から驚きの声-「高島平緑地」
高島通と平行に並んで設置されている「高島平緑地」は、つくられてから40年近く、住民から愛されてきた緑地帯です。子どもたちは、夏にはセミを追いかけ、時には今でもカブトムシやクワガタなどの昆虫を見ることができます。お散歩をして歩く高齢者にとっても欠かせない「グリーンベルト」です。その木が、次々と伐採され、住民から驚きの声が上がっています。
区の説明では、2013年1月の大雪により緑地帯の木が倒木氏、高島通りの車線をふさぎ、その枝が車に接触したという事故などがあったこと、幹回り120センチ以上の樹木を対象とした「街路樹危険樹木調査」結果をもとに、伐採を行ったというものです。
しかし、実際に切られている木をみると、直径7センチ程度の細い木も軒並みバッサリ切られ、住宅地側から高島通りが丸見えになるほどです。
住民の多くが驚くほどの量を伐採しているにもかかわらず、この計画の説明は、10カ所程度に張り紙を掲示しただけです。
<伐採時に区が掲示した張り紙>
●私は、6月6日の一般質問で、区長に質しました。
いわい
「伐採する木の選別基準、伐採する高さなど、木の伐採に関する考え方をお示しください。また、住民への説明が 不足している。区長の見解を。」
区長
「樹木医による健全度調査の結果から、倒木の危険性がある樹木や交通に支障がある樹木の伐採を実施している。住民の方々への周知方法について、伐採作業中に現場に告知看板を設置して周知してきた。今後は、町会・自治会を通じて説明していく。」
多くの木がなくなったことによって、環境への影響を心配する声は少なくありません。
もともと、高島平緑地は、高島通りから住宅への排ガスや騒音に対する「緩衝緑地帯」としての役割をもって設置されました。その機能は、これからも維持されなければなりません。
いわい
「伐採による、排ガスや騒音などの影響に対する見解を。」
区長
「多くの木を伐採したが、住宅地への音の伝わり方など、大きな影響を与えたものではないと考える。」
また、この伐採は「高島平グランドデザインによるものではないか」「まちづくりを理由に緑がなくなるではないか」という住民の不安は高まっています。
高島平グランドデザインでは、プロムナード基本構想の一つとして、「高島平緑地の再整備」と明記されています。構想の中には「樹木の伐採・移植」「伐採した樹木の活用」「切り株の活用」などと書かれています。プロムナード構想に対する住民への具体的な説明も、了解もないまま、先行する形で伐採したことに対する住民の不信感が募っています。
区は、木の伐採は「グランドデザインとは関係ない」と言っていますが、プロムナード構想に記されている内容からすれば、「関係ない」とは言い難いものです。
いわい
「今後の高島平緑地の整備についての方針をお示しください。」
区長
「高島平グランドデザインにおいて、従来の機能に加え、多用途の活用を進めることによって、にぎわいや地域
の活動を生み出し、地域の魅力向上に貢献すべく積極的な活用を図っていく。」
いわい
「今後の計画について住民説明会の実施を求める。」
区長
「素案の段階において、住民説明会、パネル展示など、丁寧に説明してきた。今後の周知をしていく予定。」
いわい
「伐採した場所へ新たな植樹を行うこと。」
区長
「必要に応じて植樹を含めた空間整備を行う。また、緩衝緑地としての機能が著しく損なわれる場合において
は、若木の植樹などを検討していく。」
まだまだ、高島平グランドデザインによる様々な影響の心配はつきません。
今後も、高島平緑地帯の問題と合わせて、高島平のまちづくりについて懇談会など取り組んでいく予定です。
みなさんのご意見などお寄せください。